SECがコインベースに驚きの要求 ETFの審査にも影響するか

7月31日のビットコイン(BTC)対円は小幅に反発し、一時はおよそ1週間ぶりに420万円にタッチした。カーブファイナンスへのハッキングを受けて週末に410万円割れを試したBTCだったが、節目の水準を手前に買い戻しが入ると、この日の東京時間にはドル円相場の上昇も相場の味方となり、418万円を回復した。一方、この日は米コインベースが米証券取引委員会(SEC)から提訴される以前に、BTC以外のトークンを上場廃止するよう求められていたことが明らかとなり、BTC相場は失速。米時間には、ヘックスやパルスチェーンの創業者であるチャールズ・ハート氏がSECから提訴され、アルト主導の下げにBTCも連れ安となり、東京時間の上げ幅を縮小した。


本日のBTC相場は上値の重い展開が続くか。SECはコインベースに対してBTC以外は証券であると主張しており、SECからすればコインベースは未登録の証券取引所とも言える。こうした対立は現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の審査にも影を落とすと指摘され、市場のETF承認期待感にも影響しそうだ。一方、本日は6月の米JOLTs求人件数を控えており、市場では5月から20万件ほどの減少が予想されている。米労働市場は、米連邦準備理事会(FRB)が昨年から積極的な利上げを敢行してきたなかでも底堅さを維持しており、JOLTs求人件数は今年に入ってようやく1,000万件を割り始めた。労働市場に減速の兆候が確認されれば、金曜日の雇用統計に向けてリスク選好度も少しは上向くと指摘され、BTC相場の下支えとなろう。



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bitbank Report 2023/08/01:SECがコインベースに驚きの要求 ETFの審査にも影響するか