切り返したビットコイン ディフィカルティ9回連続上昇が示すこととは?
先週(8日〜15日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比295,016円(4.11%)高の747万円と3週続伸。
12日金曜日まで65,000ドル(≒741万円)を巡り揉み合いとなっていたBTCだったが、この日の海外時間に入ると売りが膨らみ保ち合い下放れとなると、米証券取引委員会(SEC)がVanEckの現物ベースのビットコイン上場投資信託(ETF)を否認し、相場は64,000ドル(≒729万円)を割り込み62,300ドル(≒710万円)まで安値を広げた。
一方、その後の相場は悪材料出尽くし感で切り返すと、米株の反発も追い風となり反発。週末14日には65,000ドルまで戻し、4年ぶりの大型アップデートとなるTaprootを通過すると事実売り気味に上値を重くするも、今朝方にシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物の取引が始まると反発し66,000ドル台(≒752万円)乗せを伺っている。

前年比で6.2%と高水準を記録した米消費者物価指数(CPI)を受け史上最高値を更新(69,000ドル≒780万円)した先週のBTCだったが、インフレ加速を嫌気した米株市場のリスクオフが波及しその後は上値を重くしていた。ただ、相場は一時64,000ドルを割り込んだものの、「インフレヘッジとリスクオフの綱引き」と指摘した通り、リスクオフムードの後退で相場は底堅い推移に転じている。
この間に米10年債の実質利回りは-1.1%台を割り込んでおり、10年物の期待インフレは年初来最高値を更新し、市場のインフレ加速への懸念は強まる一方となっている。
また、ビットコインは14日に9サイクル連続の採掘難易度(ディフィカルティ)上方調整を経ており、堅調な実需の増加が示された。ハッシュレート、ディフィカルティ共に足元では過去最高値周辺まで回復しており、今夏の中國マイニング禁止令発令前の水準に戻している。ただ、ディフィカルティの上方調整直後はハッシュレートが一時的に低下しやすいため、相場への影響にも注意したい。
今週のビットコインも底堅い推移を想定している。実質金利が過去最低水準で推移し、期待インフレが上昇、さらには株価も下げ止まっており、BTC相場には好環境と言える。明日には、先月に一時延期されたVanEckのBTC先物ETFのCBOE上場も控えており、今週の相場も最高値更新を伺う展開に期待が持てる。想定外のシナリオの場合でも、引き続き58,000ドル〜60,000ドルエリア(660万円〜683万円)はサポートとして機能するだろう。





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bitbank Report 2021/11/15:切り返したビットコイン ディフィカルティ9回連続上昇が示すこととは?










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