取引所保有BTCが久々に減少、ETF承認後の売り一巡か?
今週の値動き
- 今週のビットコインは1月29日の622.5万円から取引が始まりました。週始めは先週後半から底堅い動きが続いていたこともあり、相場は上昇して取引が始まります。火曜日には646万円まで上昇しましたが、2週間前にも高値となった640万円台では上値が重くなり反落し始めました。水曜日には一時今週の価格がマイナスとなり、週央に売りが優勢となりましたが、今週の始値近辺では再度買い戻しが入り、現在の価格は24時間移動平均線(24EMA)を上回っています。現時点は634万円で推移し、640万円台の回復を目指しています。週後半に底堅い動きが戻り、このまま移動平均線の上位を維持できれば、来週以降も底堅い相場に期待できます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。現在は0.007%程度となり、大きくロングポジションに偏っている状態にはありません。0.01%を超えて来ると、短期的な上値が重くなる可能性があるため注意が必要です。一方、今週は底堅い推移となっているにも関わらずFRに過熱感はなく、相場はまだ上値を追う余地を残していると考えられます。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で上昇しています。現在は9.6%程度で推移しています。ここ最近の相場では10%を超えてくると、押し目を付ける傾向があります。今後先物取引の乖離率が10%を超えてくるような場合は、高値警戒が示唆されます。10%を超えて価格も上昇するには、かなり強い相場もモメンタムが必要になります。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で先週まで上昇傾向にありましたが、今週は下落しています。ユーザーの売り圧力が減少していることを示唆しており、今週相場が底堅く推移している要因と考えられます。今後も減少するようなら、相場の需給改善から価格の上昇が期待されます。
2.マイナーネットポジション
- マイナーのアドレスの現物BTCの量は今週大きくマイナスとなっています。取引所の現物保有は減少していますが、マイナーは現物を売却する動きを見せています。マイナーは大量の現物を保有しているため、相対取引でBTCを売却することもできます。そのためマイナー・アドレスからの現物の流出が直接市場価格に影響しないこともあります。一方、今後も流出傾向が続くか注視が必要です。
まとめ
- 今週のビットコインは640万円台で上値が重くなり、週央に売られる展開となりましたが、週後半に値動きに底堅さが戻ってきました。価格は移動平均線も上回っており、来週以降の相場に期待が持てる状態です。デリバティブ市場ではFRに過熱感は相場が崩れるリスクは低いと考えられます。オンチェーンデータでは、久々に取引所保有BTCが減少したことは強気な材料となります。現物ETF承認後に発生した売りが一巡した可能性が示唆されています。今週サポートされた620万円の上位を維持している間は短期的にも強気チャートとなるため、サポートを割り込むまでは底堅い動きが想定されます。