ショートポジションの清算は1億ドルを超える、急騰の背景に投機的な動き
今週の値動き
- 今週のビットコインは10月23日の448万円から取引が始まりました。週明け頃から24時間移動平均線(24EMA)を上回る動きがあり、買いが先行しました。価格は底堅い動きが続き、火曜日の朝方に急騰し、価格は年初来高値を更新しました。一時525万円にタッチしたところで徐々に上値が重くなりました。週後半にかけて短期的な利確売りが発生し、現在は512万円台で推移しています。足元では24EMAを下回った水準で推移しており、押す展開となっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、現在プラスで推移しています。先週の上昇の初動ではマイナスとなる動きもありましたが、現在は0.01%で推移しています。一時は0.01%を超えており、ロングポジションの比率が上昇していることを示しています。先週まではショートポジションも多くあったため、今週の価格の急騰に繋がりました。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショートポジション側で大きな清算が発生しました。先週も上昇局面の1時間足で3000万ドルを超えるショートの清算がありましたが、今週は6000万ドル近い清算が確認されています。今週だけで合計1億ドルのショートポジションの清算が発生しており、短期的な下目線の投機家が狩られる動きとなりました。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は拡大傾向にあります。2週間前までは、乖離率が縮小していましたが、先週の上昇時から拡大傾向にあります。現在は5.5%程度で推移しており、長期のロングポジションが積まれていることがわかります。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は下落傾向が続いていましたが、今週は上昇傾向にあります。足元の価格の上昇を見て、投資家が短期的な利益を確定しようとする動きを加速させています。この傾向が続けば、ビットコインの上値の重しになることが懸念されます。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、先週、今週と価格が上昇したため、足元で80%近辺まで上昇しています。今年はこれまで70%前後が最も高い水準となっていましたが、現在はこれを超えた水準となっています。多くの投資家が含み益を抱えている状況と言えます。
まとめ
- 今週のビットコインは先週に続いて、週前半から上昇する展開となりました。現在は、価格が押す動きとなっていますが、来週にかけては再度買い戻されることが予想されます。一方、デリバティブ市場では、短期的にロングポジションの比率が高いことが確認されており、ここ2週間に見せたような上昇は今後は起こりづらいと言えます。オンチェーンデータでも取引所保有BTCの増加や含み益アドレス割合の上昇から利益を確定する動きも今後は増えていくでしょう。短期的にはまだ上昇トレンドですが、トレンドの強さは徐々に落ち着いていくことが予想されます。