1週間を通じて強かったビットコイン、価格は年初来高値に急接近
今週の値動き
- 今週のビットコインは10月16日の406万円から取引が始まりました。今週は相場が開くと買いが先行して取引が始まりました。月曜日にはETF関連のニュースが出ると相場が急騰。価格は一時433万円まで上昇しました。一方、上昇した直後には短期的な利確りが発生し、上値が重くなる場面もありました。週央には一時24時間移動平均線(24EMA)を下回りましたが、週後半には買い戻しが入り、現在は今週の高値圏で推移しています。価格は本日も上昇しており440万円に迫る勢いです。年初来高値(453万円)を試す展開となっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でマイナスで推移しています。今週は価格が上昇した一方、無期限先物取引ではショートポジションを建てる動きが継続しています。逆張りしている投機筋が多く、価格上昇の燃料になる可能性があります。このままFRがマイナスで推移した際は、相場のもう一段高が期待されます。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショート側で大きな清算が発生しました。今週は価格の急騰時にデイリーで6000万ドル近くの清算が記録されており、ショートの清算としては今年3番目の高さになりました。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で上昇傾向にあります。10日前には上乖離が3%を下回る場面がありましたが、現在は3.8%近辺まで上昇しています。今週の値動きを見て、先物取引を扱う投機筋は今後の価格予想を上方修正しています。4%を超えて上昇する水準はやや相場の過熱感が出ている状態になるため、今後も乖離が上昇するようなら注意が必要です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落し、ユーザーは取引所から現物を引き出しています。先週の同指標は上昇する場面もありましたが、現在は足元で最も低い水準となっています。今年に入り取引所が保有する現物の量は、継続的に減少しており、今週の相場の上昇の一因にもなっています。現在は、売り需要が低いと見られ、上値を追う相場が醸成されやすいと考えられます。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、現在73%まで上昇しています。今週の価格上昇により多くの投資家が含み益を出していることがわかります。今年は、含み益アドレス割合が70%を超えてくる水準は、利益確定売りが出やすくなる水準となっています。足元の相場は底堅く推移していますが、今後の利確売りの増加には警戒です。
まとめ
- 今週のビットコインは週明けから買われ、後半に入っても底堅い動きとなっています。FRは未だマイナスとショートポジションの積み上がりも確認されており、短期的には上昇しやすい状況となっています。オンチェーンでも引き続き取引所保有BTCの減少が続き、売り圧力は弱い状況です。ここ最近の相場では週明けに相場が反転する傾向も見られるため、来週始めの動きには注意が必要です。底堅い推移が続けば、来週以降にも年初来高値近辺まで上昇する展開も見えてきました。