取引所保有BTCが久々に増加、売り圧力の上昇懸念高まる

今週の値動き

- 今週のビットコインは10月9日の417万円から取引が始まりました。今週は週始めから売られる展開となり、上値が重い相場となりました。週の大半で24時間移動平均線(24EMA)を下回り、弱気の動きが明確化しました。木曜日には今週の安値となる397万円まで下落し、400万円台を僅かに下回りました。400万円にタッチしたことで売りは弱まり、現在は価格がEMAを上回り、400万円台を回復しました。一方、反発は現在も弱く、週末もこの水準で推移した場合は来週以降も上値が重くなる可能性があります。今週はこれまでに3.5%ほど価格が下落しており、2週連続の陰線となりそうです。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの資金調達率(FR)は、現在プラスで推移しています。今週は価格が上昇している一方、短期のデリバティブ市場ではロングポジションの比率が増加しています。今週の価格下落は押し目と見て、ロングポジションを建てる投機筋が多いことを示しています。一方値動きは、弱い状態が続いており、ロングポジションの増加は価格の下落を加速させる可能性があります。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は今週、大きく下落しました。先週までは4%を超えた水準で推移していましたが、現在は3.3%程度で推移しています。まだ上乖離が継続している一方、乖離率が縮小したことは今後の相場にプラスと言えるでしょう。投機筋は今後の価格上昇の見込みを下方修正したようです。9月後半にも乖離率は大きく縮小した動きもあり、今後の動きにも注目です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で上昇し、ここ2週間で最も高い水準となっています。今年は同指標が下落することが多く、ユーザーが現物を取引所から引き出す動きが見られました。一方、現在は取引所保有BTCが増加しており、ユーザーの売り需要が高まりつつあることを示唆しています。来週以降も同指標が上昇するようなら上値の重石となるでしょう。
2.含み益アドレス割合
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- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、足元で価格が下落している影響から低下しています。現在は65%程度まで低下しました。先週までは70%を超える水準となっていましたが、今週は5%近く下落しました。今年は70%を超える水準では利益確定売りに相場が押される展開が多く、今週の価格下落に繋がりました。現在の水準もまだ利益が出ているアドレスが多い状態にあり、価格が上昇した際には売りが出やすい状況です。
まとめ
- 今週のビットコインは一時400万円割れ、週を通じて売りが強い状況です。デリバティブ市場では先物乖離が縮小したことが相場にプラスとなりますが、FRは買われており、まだロングポジションが多い状況です。また、オンチェーンデータでは取引所保有BTCの増加が確認されており、売り圧力の増加が懸念されます。今週は値動きも非常に弱く、来週に向けて下値を探る動きが想定されます。