中国勢の撤退により次回の難易度調整は24%の大幅下落、相場も底入れとなるか
大幅な難易度調整が今回も相場のターニングポイントとなるか
中国政府の規制を受け新疆ウイグル自治区や四川省のマイナーがマイニング機器を停止させた為、5月以降のハッシュレートが大幅低下、次回の難易度調整は過去最大になる見込みだ。ビットコインのマイニング難易度はハッシュレートに比例し約2週間毎に調整が行われる。次回の難易度調整は7月3日に行われる予定で、6月30日時点のデータで約24%下がる見込みだ。
マイニング難易度及びハッシュレートの底入れは価格推移との関連性が確認されており、次回の難易度調整が相場のターニングポイントになるか注目が集まっている。ビットコイン市場では、マイナーが最大の売り手になるため、難易度が低下しマイナーの収益性が改善すると、売り圧力も低下し価格が上昇しやすくなると考えられている。

2017年以降、ビットコインの底値となったのは2018年第2週で35万円まで下落した際だ。当時のハッシュレートは2018年11月から下がり始め12月19日まで下落しており、相場の底値とほぼ同時期にハッシュレートも底入れしている。

ハッシュレートは11月2日から12月19日までに51.37EH/sから36.55EH/sまで下落し、下落率は約30%ほどだった。

現在は2021年5月13日に記録した179.25EH/sから急落しており、7月3日に90.91EH/sとなる見込みだ。下落率は約50%になる。
ビットコインのハッシュレートが3回連続で低下するのは非常にまれな現象で、2012年以降では上記の2018年の記録しかない。さらに1回の難易度調整で見ても次回の25%下落は異例な数値となり、マイナー市場全体の大幅な収益改善が見込まれる。
今回の中国はビットコイン規制に本腰か
歴史的に仮想通貨市場が盛り上がると規制が強くなる傾向は世界的に見られ、2017年頃にも中国では規制により取引所が閉鎖に追い込まれる自体に発展していた。今回は遂にマイナーに対する本格的な規制が入ったようだ。
6月に入ると大手マイナーが集まる新疆ウイグル自治区や四川省の地方政府により、マイナーへの電力供給が止められた。これによりマイニング作業が強制的に止められ、最近のハッシュレートの大幅低下に繋がっている。
SNS上では、大量のマイニング機器から電源が抜かれ稼働が停止している画像が出回っている。この画像の信憑性を高めるかのように、中国国内の中古市場におけるマイニング機器の供給が急増しているという報告もある。一部の大手マイナーは中国国外に拠点を移す計画もあるようだ。新拠点への移行が進めばハッシュレートも徐々に戻ると予想される。
今回のハッシュレート低下によりビットコインのブロック生成速度が遅くなり、送金が遅延するなどの障害も出ているが、難易度調整が行われれば通常通りブロックが生成されるようになる。
短期的にはネットワークや価格に対しネガティブな影響があったが、中国勢のマイナー事業の撤退によりハッシュレートが50%減少しても、51%アタックなどによるダブルスペンディングも起こらずビットコインには大きな問題がないことが証明された。改めてネットワークの強さというファンダメンタル部分が際立つ結果となった。中国以外のマイナーにとっては競合が一気に減り収益性が大幅に改善することになり、利益を得る者もいるだろう。
市場から撤退を余儀なくされたマイナーの現金確保を目的とした売り圧力により、ここ数週間は弱気な相場が続いていた。一方、現在の相場は底堅く推移し始めており、売り圧力が弱くなっているようだ。次回の難易度調整が行われればマイナーからの売りがさらに減り、相場は徐々に上向くと予想される。今回も大幅な難易度調整が相場のトレンドを変えるターニングポイントになるか要注目だ。










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