匿名系コインMoneroの追跡ツールが開発される、米国土安全保障省が依頼
ブロックチェーン上の分析・解析を行うCipherTraceは、暗号技術を活用しトランザクションの匿名性を高めるMoneroに対する追跡ツールを開発したと発表した。犯罪捜査に活用するため米国土安全保障省から依頼があった。
開発されたツールはトランザクション履歴を解析し犯罪者の追跡に活用されるほか、暗合資産(仮想通貨)取引所や保管・管理サービスを提供する企業が不正利用された疑いがあるアドレスからの送金の検知にも使われる見込みだ。
CipherTraceによると、違法商品も取引されるダークネット・マーケットで決済手段としてMoneroが使われることが多いという。45%のダークネット・マーケットでMoneroが利用され、これはBitcoinに次ぐ2番目の多さだ。Moneroの特徴であるトラッキングの難しさが好まれている要因の一つだ。
デイブ・ジェバンズCEOは「我々のチームは数年かけて今回のツールの開発に成功した。改善の余地は依然としてあるものの、世界で初めてMoneroの追跡ツールを発表できたことを誇りに思う」と語った。
発表されているデータによると、CipherTraceは今回の開発費用として少なくとも240万ドルを米国土安全保障省から受け取っている。今回のツールはMoneroの市場価値を落とすように見えるが、ジェバンズCEOはこのツールを活用することで取引所がMoneroを上場することも可能になるとみており、ポジティブな影響もあると考えている。
Moneroの特性から、追跡ツールは100%のトランザクションを追うことはできないが最低でも98〜78%の正確性を持つとジェバンズCEOは話す。