幸先悪いスタートを切ったBTC そろそろ底入れとなるか:2月のBTC相場

安値更新で8万ドル割れ
1月のビットコイン(BTC)ドルは8万7535ドルから取引が始まった。昨年末からのETFフローの改善を背景に、年明けの相場はジリ高に推移し、3日には節目の9万ドルを回復した。5日の東証大発会は半導体銘柄を中心に上昇し、BTCにもリスクオンが波及し9万4700ドル周辺まで回復した。
これによって相場が12月の戻り高値にタッチすると、戻り売り優勢となり9万ドル周辺まで反落したが、13日に発表された12月の米消費者物価指数(CPI)が前年比で横ばいとなると、過度なインフレ懸念が後退し、BTCは9万5000ドル台に浮上。翌14日には、9万7000ドルに肉薄するも、100日移動平均線や一目均衡表の雲上限が相場のレジスタンスとなり、その後は上げ渋る展開となった。
17日には、米国によるグリーンランド領有計画を巡って、反対するEU8カ国に対して米国が追加で10%の関税を課すと発表すると、18日にはEUも報復措置を検討すると発表し、米欧関係が悪化。これを切っ掛けにBTCは下げ足を速めると、20日にはトランプ米政権主導の「平和評議会」への参画を拒んだフランスに対し、トランプ氏が一部輸入品に200%の追加関税を課すと発表し、相場は9万ドルを割り込んだ。その後、グリーンランドを巡ってトランプ氏とNATOのルッテ事務総長が「大枠合意」に達したことで、リスクオフムードは一時的に後退したが、トランプ氏がカナダに対し、中国と貿易協定を結べば100%の追加関税を賦課すると警告し、25日には8万6000ドル近辺まで下落した。
26日朝方には、カナダのカーニー首相が中国との貿易協定を追求しないと発表したことで、リスクオフムードが巻き戻し、相場は一時9万ドル周辺まで戻したが、マイクロソフト(MSFT)株が決算後に急落すると、29日のナスダックの下げを主導し、売りがBTCにも波及。30日には連日高値を更新していた金(ゴールド)相場が急反落し、リスク資産やオルタナティブ資産から資金が退避するなか、31日にはBTCも大幅に下げ、月足終値は7万8666ドルとなった。

タリフマン再来
1月は久しぶりにトランプ氏が複数国に対して関税の脅しを振りかざし、市場心理を悪化させた。特に警戒されたのは米国によるグリーンランド領有を巡る米国とEUの対立と言え、トランプ氏とNATOが大枠合意に達したことで、事態が収束したかのように見えているが、合意の内容に関しての詳細はEU外交官やデンマーク側にも開示されておらず、問題が蒸し返される可能性は残っていると言えよう。
11月の中間選挙を控え、トランプ氏も投資家心理を極端に冷やす言動はし難いと見ているが、「ハイボールを投げて相手を交渉に誘い出す」という同氏の常套手段は一時的に市場を不安定化させる。グリーンランドや平和評議会、さらにイランの核開発問題を巡る軍事衝突の可能性も燻るなか、2月もトランプ氏の横暴によって市場が振り回される可能性に注意しておきたい。
ゴールド急落で逃げ場なし?
こうした政治や地政学的な不透明感が強まるなか、1月は連日史上最高値を更新していたゴールドとシルバー相場が30日から急落している。市場参加者にとって、唯一の資金の逃避先となっていた貴金属相場が崩れたことで、米国株や暗号資産(仮想通貨)市場にも売りが波及する格好となっており、足元では資金の逃げ場がなくなっていると言えよう。
ゴールド相場急落の切っ掛けとしては、トランプ氏が次期FRB議長にケビン・ウォーシュ氏を指名したことが挙げられる。ウォーシュ氏は、政策金利の引き下げを支持する一方で、FRBのバランスシート縮小を推奨する人物であり、どちらかと言えば極端にハト派でもタカ派でもない中道派と言えるが、市場はトランプ氏が金融緩和を積極的に進める人物を指名すると予想していたため、今回の指名はタカ派的と受け止められた。
結果として市場ではドル高・債券安(金利は上昇)となり、ドルで取引され、金利を生まないゴールド相場の重石となった訳だが、ウォーシュ氏の指名はあくまで調整の切っ掛けに過ぎないと見ている。
前述の通り、関税問題や地政学的なリスクは未だ解消されておらず、直近数カ月でゴールド相場を押し上げてきたファンダメンタルズは健在だ。加えて、12月から始まったFRBのバランスシート拡大は納税期限の4月まで続く見通しとなっている。31日には米政府機関の一部が予算切れにより閉鎖しており、ここからゴールドが売られ続ける理由は、「買われ過ぎ」ということ以外で考え難い。
よって、テクニカル的な過熱感がある程度払拭されれば、ゴールド相場は持ち直すと見ており、貴金属市場を端に発する売りの波及も短期的なものになるだろう。
2月の見通し:そろそろ底入れか
不安定な値動きが続くBTCだが、2月2日の時点で、①相対力指数(RSI)が売られ過ぎの30%を割り込み、②シカゴマーカンタイル取引所のBTC先物では約5000ドルの上窓が開き、③オンチェーン上では短期筋の含み損割合が95%を超えており、テクニカル的にもオンチェーン指標でも相応に売りが進んだと言える。出来高とボラティリティから鑑みると、セリング・クライマックスとは言い難いものの、ゴールド相場の底打ちを確認できれば、目先は戻りを試す展開が視野に入る。
トランプ氏の言動によって、貿易摩擦や地政学リスクが今月も相場の重石となる可能性が残っており、売りの過熱感解消後は再び下値を模索する展開も想定する必要があるだろう。
一方、こうした「トランプリスク」を回避したうえで、AIトレードの再燃や米議会でのクラリティ法案の審議に進展があれば、BTC相場にとって切り返す切っ掛けになると言え、1月の戻り高値を試す余地もあると見ている。











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