Bitcoin Weekly Review:市場は不安定な状況続く、取引所からは現物の流出止まらず
今週の値動き
- 今週のビットコインは233万円から取引が始まりました。週始めは底堅い推移となり、買いが優勢な相場状況でした。価格は一時247万円まで上昇し、ここ1ヶ月間の高値を更新しました。
- 上昇していた相場の流れが一転したのは、アメリカで行われた金融政策会合(FOMC)の後でした。金利は0.5%引き上げられ、金融引き締めが行われました。FOMC後は売りが優勢となり、上値が重くなりました。現在の価格は238万円まで下落し、24時間移動平均線(24EMA)を下回りました。一目均衡表の雲も下抜けており、テクニカルが悪化している状況です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
- 今週の資金調達率(FR)は足元でプラスで推移しています。今週は価格が上昇しているため、ロングポジションの比率が上昇しています。ロングポジションの増加は上値が重くなる要因になるでしょう。まだ投機筋のロング需要は残っているようです。現在のFRは0.007%で推移しています。
2.ロング・ショート清算
- ロングポジション・ショートポジションの清算は、価格の上昇時にショート側で700万ドルの清算が発生しました。底値でショートしたポジションが狩られているようです。ショートの清算としては約1ヶ月の高値となりました。ロング側でも今週の高値近辺で500万ドルの清算がありました。今週はロングポジションとショートポジションの両方で大きな清算があり、荒い推移となりました。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離は足元でプラスで推移しています。現在は先物価格が0.004%ほど高い状態になっています。価格が235万円より下位で推移している際はマイナスで推移していましたが、価格の上昇で先物が買われています。こちらでも投機筋の買い需要の強さを示しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するビットコインの数量は引き続き下落しています。FTXの破綻後、取引所にビットコインを預けておきたくないというユーザーが急増し、現物を引き出しているようです。市場はかなり不安定な状況にあり、取引所からの現物流出は今後も続くものと考えられます。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインの含み益アドレス割合は、現在55%程度で推移しています。今週は価格が上昇した事で、含み益アドレス割合も上昇しています。通常であれば50%近辺での推移は、相場の底を示すシグナルとなります。一方、現在の弱気トレンドが反転しているような値動きは見られません。短期の投資家はすでに退場しているものと思われますが、新たな投資家が流入してこない限りはトレンド転換は難しいでしょう。
まとめ
- 値動きは足元で弱く、売りが優勢となっています。テクニカルも悪化傾向にあり週末は下落に注意が必要です。
- デリバティブ市場ではロングポジションの比率が上昇していることを示しています。上値が重くなる要因となる可能性があります。
- 取引所からの現物の流出は継続しています。信用不安が未だ燻っており、市場の信用回復にはまだ時間がかかるでしょう。相場には不安定さが見受けられ、新規の買い入れは見込みずらい状況です。