BTCは3週続落 中東リスクと資金流出が重石

5月25日〜31日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比51万3006円(4.19%)安の1172万6988円と3週続落した。
米・イランの軍事衝突再開を背景に、先週のBTC円は1230万円周辺から軟化し、27日には節目の1200万円を割り込むと、その後も安値を広げる展開が続き、28日には1160万円周辺まで下落した。
一方、この日の米国時間には、米・イランが60日間停戦を延長する覚書に基本合意したと伝わり、相場は下げ止まった。しかし、合意を巡ってトランプ米大統領は即座に承認を下さず、29日には改めてイランに高濃縮ウランの処分を求め、BTCは底堅くも上値の重い展開となった。
週末にはイランがウランの処分を拒否したことで、BTCは1180万円周辺で頭打ちとなると、今朝方には原油価格の上昇が相場の重石となり、今週は小甘い推移で始まっている。

今週のBTC相場は、中東情勢の不透明感と資金ローテーションの逆風が続くなか、軟調な地合いを引き継ぎやすい局面にある。
米・イラン関係を巡っては、60日間の停戦延長に向けた覚書について基本合意が報じられたものの、最終的な合意には至っていない。トランプ米大統領は、高濃縮ウランの処分やホルムズ海峡の開放について、より具体的かつ厳格な内容を盛り込むよう修正を求めており、協議の難航も懸念される。一方、イラン側も独自の修正案を提出する方針と報じられており、交渉が完全に決裂した状況にはない。尤も、戦争終結に向けた最終決定はなお見通せず、市場は引き続き中東情勢を巡るヘッドラインに振られやすい地合いが続こう。

加えて、足元では米国の現物ビットコインETFから10営業日連続で資金が流出している(第2図)。背景には中東情勢の不透明感もあるが、それ以上にAI関連を中心とした米ハイテク株への資金シフトが懸念される。実際、米株市場ではAIに対する楽観的な見方を背景に上昇基調が続いており、BTCから株式市場への資金ローテーションが継続している可能性が指摘される。今年はスペースX、オープンAI、アンソロピックの3社による大型IPOも控えており、関連セクターへの資金流入が続く場合には、BTCの相対的な資金吸収力は当面抑制されるかもしれない。
今週は米雇用統計のほか、ISM製造業・非製造業景況指数(PMI)など重要指標の発表が予定されている。ただ、現在の米株市場はAIを巡る期待感が相場を主導している側面が強く、経済指標そのものが方向感を決定付ける局面ではなくなりつつあるようにも見受けられる。ただ、雇用関連指標が市場の年内利上げ再開観測を後退させる内容となれば、米国債利回りの低下を通じてBTCの下値を支える要因となろう。
テクニカル面では、BTCドルは200日移動平均線で上値を抑えられた後、下値を探る展開が続いている。足元では100日移動平均線や一目均衡表の雲下限がサポートとして機能しているが、これらの水準を明確に割り込む場合には、一段と地合いが悪化する可能性には留意したい(第3図)。

総じて、米株式市場への資金流入が続く限り、BTCの戻りは限定されやすいだろう。一方、中東情勢を巡る不透明感が後退し、米・イランが戦争終結で合意する場合には、原油価格や米金利の低下を通じてセンチメント改善が見込まれる。足元では下値模索の局面が続いているが、本格的な反発局面入りには中東情勢の進展が必要となりそうだ。












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