BTCは不安定ながらも底堅い動き 大型オプションカットに向けてどう動く?

15日〜21日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比20万6344円(1.50%)高の1397万円と反発した。
先週のBTC円は、週明けの米国時間にAIバブル懸念や、トランプ米大統領の側近が次期FRB議長候補として有力視されているハセット米国家経済会議委員長の任命に反対しているという報道を受け、1400万円から1350万円周辺まで下落した。その後はFRBの利下げ期待が相場の下値を支えたが、流動性の低下により不安定な値動きが続き、米消費者物価指数(CPI)通過後には1300万円近辺まで水準を下げた。
19日、日銀は政策決定会合で利上げを決定したものの、来年の方針を明示しなかったことで円売りが加速。本邦債券市場も売り込まれる中、主要国の国債相場も下落し、BTCは1400万円近辺まで反発した。ただ、1400万円周辺の抵抗帯をブレイクできず、この日の米国時間は上げ渋りに転じた。
週末は、1400万円手前での揉み合いに概ね終始し、不安定ながらも週足では下ヒゲを付けて底堅さを印象付けた。

ドル建てのBTC相場は先週、週明けに短期上昇トレンドラインを下抜けしたものの、8万5000ドル(≒1338万円)周辺では買い支えられ、8万ドルへの下落による下降トレンド再開を回避した(第2図)。先週はまちまちな米雇用統計や不完全なCPIのデータによって、相場にはっきりとした方向感は出なかったが、いずれもタカ派的な内容ではなく、市場の1月の利下げ期待は強まらなかったものの、BTC売りは続かなかった。
こうした中、18日にはマイクロン・テクノロジーの強気な業績見通しによって、AIバブル懸念が後退。また、日銀政策決定会合での利上げは織り込み済みだったことから、想定通り本邦株式市場への打撃はなかった。
クリスマスのホリデーシーズンによって、今週も不安定な値動きが見込まれるものの、日米の金融市場でのリスク選好度は改善傾向にあると指摘され、BTCは今週も底堅い動きが期待される。目先では、相場が先述の短期上昇トレンドラインを回復できるかが焦点となろう。
他方、今週26日にはデリビットで大型のBTCオプションカットが控えている。26日限のオプションでは、最大ピンが10万ドル(≒1574万円)、マックスペインが9万8000ドル(≒1524万円)となっており、セオリー的には相場がこれらの水準に吸い寄せられやすい。
ただ、今週は目星い材料に乏しい上、年末にさしかかり出来高が一層細りやすい環境と言え、今月の戻り高値9万4600ドル(≒1489万円)を上抜けできるだけの余力が残っているかは判断し難い。





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bitbank Report 2025/12/22:BTCは不安定ながらも底堅い動き 大型オプションカットに向けてどう動く?











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