BTCは半減期に向けた最後の上昇となるか 三角保ち合いも終盤
4月1日〜4月6日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比270,238円(2.50%)安の10,529,761円と反落したが、終値は安値の983.5万円から7%ほど上昇し、底堅さも印象付ける値動きとなった。
週前半に大口とみられる売りによって下値を模索する展開を繰り広げた先週のBTC円だったが、心理的節目の1000万円周辺で下げ止まると、米新規失業保険申請件数の上振れや、モルガン・スタンレーも現物ビットコインETFの提供を検討しているとの情報が流れ、4日の米時間には1050万円まで戻した。
5日には、米ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が、年内の利下げ開始を見送る可能性に言及し、BTC円は上値を重くしたが、米労働省がこの日発表した3月の雇用統計で、前年同月比の賃金上昇率が継続的に低下した一方で、月間の雇用者数は強い数字となったことで、景気を過度に減速させずにインフレ圧力が鈍化するソフトランディング期待が浮上し、BTCは米株の反発に連れ高となった。
週末にはドージコイン(DOGE)を筆頭にミームコインの上昇に連れてBTC円は1050万円を回復。本日未明には1067万円まで上昇したが、これによりドル建てBTC相場が三角保ち合いの上限に達したことで、その後は失速し上げ渋る展開となっている。
3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の変化は、市場予想の+20万人を大きく上回る+30.3万人となったが、賃金上昇率は+4.1%と2021年6月ぶりの水準まで低下した。いずれにせよ米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始のタイミングの手掛かりとしては弱い結果となったが、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパルエルFRB議長も発言していたように、強い雇用そのものが利下げ開始を延期させる理由になるとは限らず、今回はインフレへの影響が大きい賃金上昇率が重要視されたと言えよう。
他方、米国の現物ビットコインETFの資金フローを巡っては、ジェネシスによるGBTCの売りが完了したと報じられており、GBTCからの資金流出も著しく減速。一方、流入トップ2のブラックロックとフィデリティのETFへの資金流入は引き続き復調傾向にあり、先週は5営業日中4営業日でネットフローが純流入を記録した。依然として日次のネットフローは平均値を下回ってはいるが、ETFへの安定的な資金流入は引き続きBTC相場の下支えとなろう。
さて、BTCの対ドルは3月中旬よりおよそ69,000ドル(≒1047万円)を中心に三角保ち合いを形成しており、パターンフォーメーションの時間論的な観点からは今週中にもブレイクアウトしてもおかしくない状況となっている(第2図)。目先では、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物の窓埋めによる相場の下落や、10日に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)と言った懸念材料もあるが、ETFフローの改善や、来週に控えるビットコインの半減期に向けた最後の織り込みも期待され、今週のBTCは三角保ち合いの上方ブレイクアウトから80,000ドル(≒1214万円)を試す展開を想定する。
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bitbank Report 2024/04/08:BTCは半減期に向けた最後の上昇となるか 三角保ち合いも終盤