BTCはボラティリティー低下基調継続 HRはゴールデンクロス示現も難易度調整に懸念
6月第2週(8日〜14日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は65,573円安(- 6.14%)の1,003,099円と反落。米雇用統計の改善を受けた経済V字回復への期待感から高値圏で失速したBTC相場だったが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が10日、22年末までのゼロ金利政策継続の見通しを示したことや、米雇用市場底打ちの見解を否定すると、BTCは大台の10,000ドル(≒1,080,000円)を目指した。しかし、同水準での売り圧力は相応に強く上抜けに失敗。翌11日には大口のBTC送金の検知と、パウエル議長の発言を受けた米株の急落が相場の重石となり、一時97万円台まで下げ足を速めた。株価の動きが注目される中、週末の相場は様子見で薄商いとなり、100万円〜102万円の狭いレンジで推移。足元では、米主要3指数先物や日経平均株価の下落を眺め、100万円を割り込み売り優勢の展開となっている。
先週の下落でBTCの対円相場は再び5月7日高値(1,070,000円)と同月14日高値(1,060,122円)を結んだ下降トレンドラインを割り込んだ(第1図)。105万円〜110万円エリアでの売り圧力に押され、なかなか上昇軌道に回帰できない相場だが、5月からは安値も切り上げておりトレンドはほぼ横ばいだ。予て指摘の通り、短期物のヒストリカルボラティリティー(HV)も、依然、上昇傾向は見られず(第2図)、ボリンジャーバンドもスクイーズ状態が続いており(第3図)、現在は次のトレンドに向けてエネルギーを蓄積している状況と言えよう。
需給の観点からは、BTCのハッシュレート(HR)は13日移動平均線が55日線でゴールデンクロスを示現しており、実需の回復が伺える(第3図)。一方、明日予定の難易度調整では10%以上のディフィカルティー上昇が見込まれており、相場が横ばいの現状では収益性悪化によりHRの低下に繋がるか懸念もある。18年末や今年3月の相場暴落後のディフィカルティー反発は、後に相場底入れのサインともなったが、半減期を通過した現状の収益環境で、市場はマイナーがどう動くか懸念しているだろう。
コロナショック第2波懸念によるロックダウン再開の可能性が燻るが、次のディフィカルティーサイクル中は実需の売りやそれを懸念した売りに注意が必要か。ボラティリティーが低下傾向にあるため、次の初動は大きくなる可能性が高く、今週は市場から目が話せない展開となりそうだ。














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bitbank Report 2020/06/15:BTCはボラティリティー低下基調継続 HRはゴールデンクロス示現も難易度調整に懸念










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