循環買いでアルトコインも上伸 ペイパルが与えた二つのインパクトとは?
22日のビットコイン(BTC)対円相場は19,979円(1.49%)高の1,359,270円と6日続伸し、昨年7月ぶりに終値で130万円台後半を奪回した。対ドルでは、心理的節目の13,000ドルの回復目前となっている。
前日NY時間のペイパル暗号資産(仮想通貨)支払いサービス開始の発表で急伸した相場は、この日の東京時間に利益確定の売りに見舞われ、前日高値の1,383,999円から4%押すも、XRP、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCC)、ライトコイン(LTC)を筆頭にアルトコインに買いが循環したことも支えとなり、132万円台で下げ止まり底堅く推移。欧州時間に入るとユーロが対ドルで下げ足を速めたが、独自材料(ペイパル)が意識されたかBTCは復調し、NY時間からは上昇一色で前日高値を目指す展開となった。足元では、高値警戒感から節目13,200ドル(≒138.5万円)を背にやや売り優勢となっている。

前日の相場は、若干、オーバーシュート気味にも見えたが、ペイパルの発表を受けて相場が年初来高値を更新したことも買いを誘う切っ掛けとなったか。
ペイパルの仮想通貨支払いサービス開始は二つの意味でインパクトが大きかった。一つ目は、勿論、世界で約3.5億人のユーザーをもつオンライン決済大手が仮想通貨に本格参入したことで、仮想通貨が決済で利用されることへの期待が高まったことで、二つ目は、ペイパルがフェイスブックのリブラから離脱していたと言うことだ。大手オンライン決済企業やEコマース企業が集結し、大きな注目を集めたリブラだったが、世界各国の金融当局から規制包囲網を張られたことで離脱企業が続出し、ペイパルはその第一号だった。こうした中でもペイパルが仮想通貨サービスを開始すると言うことは、それだけ仮想通貨ないしデジタル通貨の普及に可能性を見出している証であり、同社の参入を切っ掛けに後を追う企業が続出することも予想される。

BTC対円のRSIは「買われ過ぎ」の水準とされる70%を超過し80%台に到達した(第2図)。先日は「行き過ぎもまた相場」と指摘したが、いよいよその「行き過ぎ」の水準に達したか。しかし、過去の天井パターンでは、高値をつけた後の相場は大きな値幅を伴って下落する傾向があったが、昨日の値幅は、高値圏としては比較的落ち着いており、プライスアクションからは過度に売り急ぐ様子は伺えない。以上を鑑みるに、この先は値幅調整ではなく、日柄調整で高値圏で揉み合う展開が予想される。





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bitbank Report 2020/10/23:循環買いでアルトコインも上伸 ペイパルが与えた二つのインパクトとは?










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