BTCは逆境の中2週続伸 見通し悪さ続くが今週もレンジ守れるか

10月第3週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比11,935円(0.99%)高の1,212,891円と2週続伸し120万円台を維持。対ドルでは11,500ドル手前の水準まで値を戻した。
先週は、米経済対策案が11月3日の大統領選までに通過しないとの観測が高まる中、ドルが上昇し株が上値を重くした上、リップル社主催の年次イベントSWELL開催を契機にXRPの「SWELL下げ」が起きたにも関わらず、BTCは118.4万円〜123.4万円のレンジ内で概ね推移し、逆境の中でも底堅さを印象付けた(第2図)。
16日には、元中国大手で現在は本社をマレーシアに置くOKExが、「秘密鍵保持者の一人が当局の捜査に協力しており、当人と連絡が取れていない」と発表したことを切っ掛けに売りが加速し相場はレンジ下限を一時は割り込むも、押し目買いの様相ですかさず切り返した。
本件を巡ってはその後、OKEx創業者が逮捕されたと中国メディアが報じているが、週末にはSWELL下げが一服しアルトコイン市場も下げ止まり、全体的に自律反発の様相となると、17日にはペロシ米下院議長が経済対策案合意に前向きな発言をしたことも助けとなり、BTCはレンジ中央まで値を戻して行った。今月のビットメックスに引き続き規制に関する材料で売りが出た訳だが、前回同様、こうした売りは一時的な影響に止まった模様だ。


ペロシ氏は選挙までに経済対策案合意の意気込みを示したと同時に、協議の期限を今週20日に設定。大規模対策の支持にシフトしたトランプ大統領とそれに反対する上院共和党との間の溝が埋まらない中で、大規模な追加策が通過する公算は低いように見えるが、協議結果が出るまではBTCも様子を伺う展開となるか。
他方、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の通商交渉を巡っては、英国側が提示していた15日の期限を過ぎても合意には至らず、ジョンソン英首相は合意なき離脱への準備をするとEU側に警告した。加えて、欧州でのコロナ感染再拡大と行動規制再開もユーロの重石となっており、今週もユーロ安ドル高基調が続けば、金相場、ひいてはBTC相場の重石ともなり得よう。

テクニカル的には、先週週明け時点と比較してほぼ変わらずで、「強気」のチャート構造が維持されていると言えよう。指摘通り、先週は「一筋縄な相場上昇」とはならなかったが、足元は保ち合い上放れ後の休息期間か。
ただ、上述の通り、米経済対策や欧州情勢の見通しの悪さは今週も顕在で、ファンダメンタルズとテクニカルが今一つ上手く噛み合っていないように思える。アルトコインの反発が続けば上値余地も出てきそうだが、薄商いも続いていることから警戒は怠れない。





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bitbank Report 2020/10/19:BTCは逆境の中2週続伸 見通し悪さ続くが今週もレンジ守れるか