BTC100万円維持失敗 ディフィカルティーがどこまで下がれば売り一巡か?

5月第4週(18日〜24日)のビットコイン(BTC)対円相場は9.3万円安(- 9.03%)の94.2万円と、今年の高値圏で値幅調整。12日の半減期後初となるマイニングの難易度調整で、ディフィカルティーは- 6%と比較的大きく下げた一方、2009年2月より動くことなかった50BTCの一部送金が検知され反落。ハッシュレートも3月の相場暴落後の水準まで低下し、需給悪化の懸念から売り優勢の展開となり、相場は103万円から90万円台前半まで沈んだ。
12日の半減期でマイナーの収益は半減し、相場が50%安となったのと同じ状況にある。これは、18年末にかけての相場暴落と似た状況だ。当時、相場は11月14日に71万円から下落を始め、翌12月の15日に36万円の安値を記録し底入れとなった(≒50%安)。この際、ディフィカルティーは相場が下がり出したサイクルを含め3サイクルかけて30%ほど低下し、4サイクル目で反発していた。このことから、マイニング収益性半減後にどれだけディフィカルティーが下がればハッシュレートの反発が見込めるかの見当がつく。半減期直前のディフィカルティー(16.1テラ)の70%は11.27テラとなる。すでに今月20日の調整でディフィカルティーは6%低下し15.1テラとなっているが、cryptothis試算の次回ディフィカルティー調整予想値が-9%〜-17%なため、次の調整でディフィカルティーは13.74テラ〜12.53テラに着地することとなり、目標の11.27テラに近付く。18年当時からマイニング機材の性能が向上したことを考慮すれば、次のサイクルでハッシュレートの底打ちが見込めるか。また、6月からは中国で雨季が本格的に始まるため、電気代の低下がハッシュレートの支えとなるか注目だ。
米中間の緊張の高まりや英中銀のマイナス金利導入の可能性など、BTCの支援材料となり得るが、ディフィカルティーが十分に低下し、BTCのファンダメンタルズが復調するまで相場はアク抜けとならないか。今週29日はシカゴマーケンタイル取引所(CME)BTC先物の5月限月最終取引日となっており、荒い値動きに注意を要そう。ファンド勢のロングとショートは先週も拡大傾向にあり、巻き戻しのエネルギーは相応に溜まっていると指摘される(第1図)。下値目途としては、目先、ボリンジャーバンド-2σ(91.5万円)があるが、10日安値(86.9万円)、ボリンジャーバンド-3σ(87.4万円)、200日線(87.5万円)が密集する87万円周辺のエリアまで下げる余地もありそうだ。











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bitbank Report 2020/05/25:BTC100万円維持失敗 ディフィカルティーがどこまで下がれば売り一巡か?