BTC失速も下値は限定的 米PCEでも方向感でないか?
30日のビットコイン(BTC)円は1114万円から取引を開始。東京時間序盤の相場は、前日の上昇が一服し1104万円まで水準を下げるも、その後は持ち直し1110万円での揉み合いに終始した。海外時間に入るとやや弱含みに推移し、ADP雇用レポートの上振れを受けて一時は1094.1万円まで下落した。一方、第三・四半期の米GDP成長率やコア個人消費支出(PCE)の減速もあって、1100万円周辺の水準を維持すると、米国市場引け後のマイクロソフトとメタ・プラットフォームズの決算が予想を上回り、BTCはこの日の下げ幅を奪回。ただ、本日から明日にかけて発表される米国の重要指標を控え上値は重く、終値は0.43%安い1109万円となった。
史上最高値付近で失速したBTC円だが、下値も堅く底堅い推移となっている。一昨日には、ブラックロックの現物ビットコインETFに6.42億ドルの資金流入があり、ETF全体では8.7億ドルと歴代で3番に大きい順流入があったが、やはり重要指標の発表や米大統領選挙を前にBTCは上げ渋った。とは言え、2週間前にシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物建玉が市場最高値更新したことも考慮すると、重要イベントを前にプロの投資家は粛々と仕込みを行っていると指摘され、相場の更なる上昇に期待が持てる。ただ、本日は9月の米PCE価格指数の発表を控えているが、市場のコンセンサスは前年比で減速、前月比で加速とまちまちな予想となっており、サプライズがなければBTCは引き続き揉み合う展開となるだろう。