BTCは復調失敗 地政学リスクとドル売り円買いのダブルパンチ
7月31日のビットコイン(BTC)対円は1012万円から材料待ちで揉み合う展開で取引が始まった。東京時間終盤には日銀の追加利上げによるドル円相場の下落により、BTC円は1000万円を割り込んだが、米時間序盤にかけては雇用関連指標の下振れを受け、一時は1010万円近辺まで戻した。この日の目玉材料となった米連邦公開市場委員会(FOMC)は、8会合連続で政策金利据え置きを決定した一方、パウエルFRB議長は9月会合での利下げの可能性を示唆した。ところが、FOMC直後にイランの最高指導者ハメネイ師がハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ氏の暗殺を受けて、イスラエルに対する報復攻撃を命じたとNYタイムズが報じると、円高と相まって相場は970万円台まで急落した。
FOMCでは利下げが近づいていることが示唆されたが、中東情勢の更なる悪化とドル売り円買いのダブルパンチでBTC円は2週間ぶりの安値となった。地政学リスク台頭時のBTCはリスク資産という性質から売りが先行しやすいが、逃避の受け皿という側面もあり売り一巡後には反発しやすい。ただ、足元のBTCドルはサポートが密集する65,000ドル(≒972.6万円)を割っており、本日はテクニカル的な売りで押し目を探る可能性が指摘される。目先では一目均衡表の雲上限やボリンジャーバンドの-1σが密集する63,000ドル(≒942.7万円)周辺がサポートとして意識されるが、外国為替市場でドル売り円買いの流れが続けばBTC円の下げ幅はドル建てと比べて大きくなる点に引き続き注意したい。
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bitbank Report 2024/08/01:BTCは復調失敗 地政学リスクとドル売り円買いのダブルパンチ