イーサETF承認で市場はどう動くか? SECの決定に注目

22日のビットコイン(BTC)対円相場は続落するも、下げ幅は限定的だった。東京時間のこの日のBTC相場は70,000ドル水準(≒1097万円)周辺で揉み合いに終始。米時間に入ると、米仮想通貨規制の明確化を図るFIT21法案に対してホワイトハウスが反対する声明が出したが、懸念されていた拒否権行使に言及されていなかったことを好感し、相場は一時1100万円を回復した。ただ、この日は4月FOMC議事要旨や引け後のエヌビディアの決算を控え、寄付きの米株式市場は上値を重くし、BTCは反落。FOMC議事要旨では、利上げ再開の可能性やインフレ鈍化に想定以上に時間がかかることへの懸念が示されたが、BTC相場への影響は軽微だった。その後の相場も小甘い展開が続いたが、今朝方に米下院がFIT21を可決すると1085万円近辺で下げ止まっている。


本日は米SECによるヴァンエックの現物イーサETFの最終判断期限となっており、明日未明からのBTC相場は上下に振れる展開に注意したい。現物ビットコインETFが承認された際は、相場は乱高下しており、翌日の取引開始から下落に転じていた。イーサETF承認は先週まで期待されていなかっただけに、ビットコインETF承認の際ほど織り込まれていないことが指摘されるが、今週に入ってイーサは20%を超える急騰を演じており、短期的な相場の過熱感も窺え、「承認で相場上昇→取引開始で利食い」という流れを想定している。というのも、申請されている7件のETFが同時に承認されれば、長らくディスカウントで取引されているグレイスケールのイーサ投信(ETHE)がETFになる訳で、GBTCのように暫くは資金流出が相場の重石となる可能性が指摘される。また、ETHEのディスカウントは直近で急速に縮小しており、裁定取引による現物イーサ相場への下押し圧力も懸念される。



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bitbank Report 2024/05/23:イーサETF承認で市場はどう動くか? SECの決定に注目