BTCは昨年高値更新に成功 SEC委員長の注意喚起が裏目に?
8日のビットコイン(BTC)対円は上伸し、保ち合い上抜けに成功した。この日は米国で現物ビットコイン上場投資信託(ETF)を申請する各社が最終修正書類を米証券取引委員会(SEC)に提出した他、各社がETFの手数料を公表したことで承認への機運が高まった。また、SECのゲリー・ゲンスラー委員長は昨日、暗号資産(仮想通貨)投資に関する注意点をX(旧Twitter)に連投したことで、ETFの承認が間近に迫っていることを匂わせた。こうしたETF絡みの動きを受け、BTCは海外時間から上値を追う展開を繰り広げ、本日未明には踏み上げ相場となり680万円にタッチした。これによりBTCは一月ほど続いた保ち合いからの上放れに成功し、2023年の高値も更新した。
先週4日までBTCの無期限先物市場では資金調達率(fr)が0.3%を超え、市場のポジションが過度にロングに偏っていたが、5日にはこうした過熱感が一時的に解消していた。しかし、足元のfrは1.0%を超えており、再び過熱感が窺える。尤も、オプション市場では50,000ドルや60,000ドルといったOTMコールの物色が確認される(アップサイドを織り込む動き)他、テクニカル的な過熱感は確認されない。引き続きETF承認後の事実売りには要注意だが、「保ち合い放れにはつけ」が相場の鉄則とも言われ、下手に流れに逆らうのは良策ではないか。米主要メディア各社は10日にETFが承認される可能性が高いとも報じており、明日いっぱいにかけてBTCが50,000ドル(≒718万円)を試す余地はありそうだ。
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bitbank Report 2024/01/09:BTCは昨年高値更新に成功 SEC委員長の注意喚起が裏目に?