BTCは下に往って来いで底堅い推移 目先は高値で揉み合うか

14日のビットコイン(BTC)対円は底堅い推移。昨日は614.4万円で寄り付くと、小甘い展開で始まったが、売り一服後は605万円から反発し、欧州時間に入ると下げ幅を解消した。米時間序盤には、暗号資産(仮想通貨)ウォレットを手掛けるLedgerのコネクターライブラリを使用する複数のDAppsで脆弱性が検知されたことや、11月の米小売売上高の上振れを受け、BTCは615万円周辺から一時592万円まで急落を演じた。しかし、Ledgerが脆弱性の修正に迅速に対応したことや、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米金融当局がハト派に傾斜したことがこの日も意識され、相場は下げ幅を奪回。この日もドル円相場の下落がBTC円の上値圧迫材料となり、相場はプラス圏回復には失敗したが、底堅さを印象付ける値動きとなった。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
米小売売上高は、市場予想の-0.1%に対して0.3%の伸びを11月に記録したが、消費が強かった今年の第三・四半期からは明らかに伸びが鈍化しており、市場の金利見通しに大きな変化はなかった。一方、昨日も米長期金利は大幅低下となったものの、BTCは上値トライに失敗しており、相場は底堅い一方で方向感に欠ける展開となった。BTCは週明けの調整が一巡し、テクニカル的にも引き続き強い地合いが示唆されており、依然として45,000ドル(≒639.8万円)を試す余地はあると見ているが、やはり同水準の上抜けには追加の材料が必要と指摘される。米債利回りも引き続き短期で下げ過ぎ感が窺え、目先では反動高に注意しておきたい。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成
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bitbank Report 2023/12/15:BTCは下に往って来いで底堅い推移 目先は高値で揉み合うか