FOMC通過でBTCは下に往って来い 保ち合い上放れには失敗

20日のビットコイン(BTC)対円は小幅に続伸するも、保ち合い上放れには失敗した。東京時間のこの日の相場は一時上値405万円を試すも、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え買いは続かず、その後はやや売りが広がり、400万円下抜けを窺う展開となった。しかし、節目の水準周辺で相場は買い支えられると、米債利回りの軟化を眺め欧州時間からジリ高に転じた。FOMCでは金利据え置きが決定された一方、年内あと一回の利上げが示唆された他、来年の利下げ見通しが100ベーシスポイント(bp)から50bpに修正され、高金利政策の長期化が示唆された。これを受けて米債利回りは急反発、米株には売りが膨らみ、BTCも一時は急落したが、インフレを抑制しつつソフトランディングは可能というパウエル議長の発言を好感したか、BTCは反発。ドル円相場の上昇も追い風となり、下げ幅を奪回した。


本日のBTC相場は上値の重い展開となるか。FOMCの政策金利見通しに関しては想定よりもタカ派的だったと言えるが、政策についてパウエル議長からは「到達しなければならない場所にかなり近い」と、利上げサイクル終焉を連想させる発言もあった。ただ、そのタイミングについては引き続きデータ次第であり、BTCはこれまで通りインフレや雇用指標を眺めつつ手探りの展開が続くと言える。FOMCを通過して米国債利回りは急上昇しており、市場が材料を消化するまでBTC相場の上値は圧迫されよう。他方、本日はイングランド銀行(BoE)の金融政策委員会(MPC)があり、昨日の英消費者物価指数(CPI)の下振れサプライズを受けて市場では金利据え置き観測が台頭している。過去14会合連続で金利を引き上げてきたBoEが利上げにブレーキを掛ければ、BTC相場の下支えとなる可能性もあるだろう。



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bitbank Report 2023/09/21:FOMC通過でBTCは下に往って来い 保ち合い上放れには失敗