3万ドルを終値で維持したBTC 採掘難易度低下でマイナーの利食いは落ち着くか
28日のビットコイン(BTC)対円は高値圏で反落し、前日の上げ幅を解消した。前日に31,000ドル(≒446.7万円)台定着に失敗したBTCは、この日は買い一服後の売りで上値を重くしジリ安に転じた。海外時間には、アーク・インベストメントが、自社が提出した現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の申請に、シカゴ・オプション取引所(CBOE)と暗号資産(仮想通貨)取引所間の監視共有協定を追加したことが意識された一方、ECBフォーラムでの米英欧中銀総裁のタカ派的な発言が相場の重石となり、一時は30,000ドル水準となる432.4万円を割り込んだ。ただ、こうしたタカ派的な発言も概ね想定済みだったからか、BTCは節目の水準で買い支えられ、終値では30,000ドル水準を回復し高値圏は維持した。


本日のBTCは30,000ドル水準を巡り下げ渋る展開を想定する。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は昨日、7月の利上げの可能性を否定しなかった他、制約的な政策が十分な期間維持されていないことを指摘したが、市場の反応は今一つだった。こうしたなか、今夜発表される米経済指標では、第一・四半期の国内総生産(GDP)成長率確定値の下方修正が見込まれている一方、同期間の個人消費支出(PCE)は上方修正が予想されているが、市場が7月利上げを80%以上の確率で織り込んでいることに鑑みるに、追加引き締めへの警戒感はある程度織り込み済みと言えよう。他方、ビットコインの採掘難易度(ディフィカルティ)は昨日、マイナーの利食いが意識されるなか、3.26%と直近では最大の下落率を記録した。こうした傾向が続けばマイニング収益性の改善も見込めるが、マイナーから取引所へのBTC送金量が落ち着きを見せるまでは実需筋の売りが相場の戻りを抑制する展開に注意したい。



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bitbank Report 2023/06/29:3万ドルを終値で維持したBTC 採掘難易度低下でマイナーの利食いは落ち着くか







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