18日のビットコイン（BTC）対円は反発し、400万円を回復した。利益確定の売りで前日に400万円を割ったBTCは、この日も東京時間序盤から下値を模索し、一時は392万円周辺まで押した。一方、今夏に半減期を控えるライトコイン（LTC）相場が反発すると、BTCも切り返し欧州中盤には前日の下げ幅を解消し、408万円まで戻した。米市場が始まると、小動きながら不安定な米株の動きを眺め小緩む場面もあったが、ドル建てで節目の30,000ドル（≒402.3万円）周辺をサポートに反発。この日は下院金融サービス委員会の公聴会に出席した米証券取引委員会（SEC）のゲンスラー委員長が、昨今の暗号資産（仮想通貨）業界の取締り方に関して、一方的且つ明確さに欠ける等と厳しい批判を突きつけられ、相場の支援材料となった模様だ。
本日のBTCは30,000ドル台前半で値を固める展開か。一時は29,000ドル（≒391.2万円）を目掛けて下落したBTC相場だが、アルトコインの利食いが思いの外早く一巡し30,000ドルを回復しており、節目となる同水準以下では底堅さを印象付けた。一方、米連邦公開市場委員会（FOMC）が再来週に迫るなか、FF金利先物市場では6月にも利上げが実施される可能性を織り込む動きも見られ、米2年債利回りはジリ高となっており、米株も方向感に乏しく、BTCの上値トライには切っ掛けが足りないと言える。需給面では若干の改善が見られるが、引き続き先物市場のポジションは買い持ち（ロング）に偏っており、継続的な相場上昇は見込み難いか。
この記事の著者
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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