【2026年最新】コールドカードはハッキングされた?原因・被害額・対象機種と今すぐ取るべき対策

2026年7月、Bitcoin専用ハードウェアウォレット「COLDCARD(コールドカード)」で生成された秘密鍵に関する重大な問題が明らかになりました。公開情報を総合すると、COLDCARDの一部ファームウェアでは、シードフレーズの元になる乱数が本来より大幅に弱くなっていました。攻撃者は端末に触れたりインターネット経由で侵入したりしなくても、秘密鍵の候補を外部で計算し、ビットコイン(BTC)を移動できた可能性があります。
ただし、今回の事件を「ビットコインそのものがハッキングされた」と捉えるのは正確ではありません。問題が確認されたのは、ビットコインのネットワークではなく、秘密鍵を生成するCOLDCARDのファームウェアです。
本記事では、最新の被害集計、脆弱性の仕組み、対象機種、ユーザー側の過失の有無に加え、コールドウォレットとハードウェアウォレットの違い、今後の安全対策、量子コンピューターによるビットコインへの影響を解説します。
COLDCARDのハッキングで何が起きたのか

2026年7月30日以降、COLDCARDで管理されていた可能性がある多数のビットコインアドレスから、BTCが短時間に移動しました。Galaxy Researchの8月13日までの追跡データを報じた記事によると、疑わしい資金移動は合計1,778.58BTC、8,680アドレス、盗難時の価格で1億1,500万ドル超と推定されています。
最初の大規模な流出では、約1,082.65BTCが41分間で移動しました。一定の手数料率や似た取引構造が使われていたことから、自動化された探索・送金ツールが利用された可能性があります。その後は異なる取引パターンも確認され、複数の攻撃者が同じ脆弱性を別々に悪用した可能性が指摘されています。
ただし、これらはオンチェーン上の取引パターンと被害申告を基にした推定です。8,680アドレスが8,680人の被害者を意味するわけではありません。1人が複数のアドレスを利用できるうえ、正当な資金移動や重複判定が含まれる可能性もあります。8月13日までの集計では、推定対象のうち被害を申告したのは192人、714.81BTCでした。したがって、記事執筆時点の被害規模は「確定値」ではなく「オンチェーン分析上の推定値」と扱う必要があります。
メーカーのCoinkiteは秘密鍵生成の不具合と対象ファームウェアを認め、全対象モデル向けの修正版を公開しています。一方、2026年8月13日時点で正式な技術報告書は未公表です。
参考:Galaxy Researchの最新集計を報じた記事、Galaxy Researchの事件分析、COLDCARDの現在のセキュリティ状況
COLDCARDがハッキングされたのは本当なのか

結論からいえば、COLDCARDのファームウェアに秘密鍵生成上の脆弱性が存在したことは事実です。ただし、「COLDCARD端末へ外部から侵入された」という一般的なハッキングとは仕組みが異なります。
今回確認されたのは、対象ファームウェアで新しいウォレットを作成した際に、シードフレーズの元となる乱数が十分な強度を持たなかったという問題です。攻撃者は端末内部から秘密鍵を盗み出したのではなく、生成され得るシードの候補を自分のコンピューターで計算し、公開ブロックチェーン上のアドレスと照合した可能性があります。
整理すると、現時点で確認できる事実は次の通りです。
確認項目 | 結論 |
|---|---|
COLDCARDに秘密鍵生成上の脆弱性があったか | メーカーと第三者の技術調査で確認済み |
修正版ファームウェアは公開されたか | 全対象モデル・リリース系統向けに公開済み |
ビットコインネットワークが侵害されたか | 侵害された証拠はない |
端末への物理アクセスが必要だったか | 必要なかった可能性が高い |
推定された全流出が脆弱性による盗難か | 全件の因果関係までは未確定 |
量子コンピューターが使われたか | 関係なし |
そのため、記事では「COLDCARDの脆弱性を悪用した可能性が高いBTC流出」と表現するのが適切です。推定対象となった全取引について、個別にシード生成履歴と因果関係が証明されたわけではありません。
参考:Coinkiteのセキュリティ勧告、Blockの技術報告
ビットコインそのものがハッキングされたわけではない
今回侵害されたのは、ビットコインのブロックチェーンや合意ルールではありません。ビットコインで資金を移動するには、対象の秘密鍵を使った正しい電子署名が必要です。各ノードやマイナーは署名などを検証し、有効な取引だけをネットワークで中継・承認します。
COLDCARDの事件では、攻撃者が弱い乱数から利用者と同じ秘密鍵を再現した可能性があります。秘密鍵を再現できれば、ビットコインネットワークから見た取引は暗号学的に有効です。そのため、不正に作られた署名として拒否されるのではなく、「秘密鍵を持つ者による正規の送金」と同じ形式で処理されます。
つまり、次のような攻撃ではありません。
- ビットコインのブロックチェーンを書き換えた
- Bitcoin Core(取引やブロックを検証するためのオープンソースソフトウェア)へ侵入した
- マイナーやノードの合意形成を破った
- ECDSAやSchnorr署名を通常の計算で解読した
- 量子コンピューターで秘密鍵を逆算した
今回の問題は、強固な金庫の鍵を破壊したというより、「鍵を作る機械が予測可能な鍵を作っていた」という性質のものです。Bitcoinのプロトコルが正常に動作していても、秘密鍵そのものを第三者に知られれば資金は移動されます。
参考:Bitcoin Developer Guide「Transactions」、Blockの技術報告
コールドウォレットとハードウェアウォレットの違い

「コールドウォレット」と「ハードウェアウォレット」は同じ意味で使われることがありますが、厳密には分類の基準が異なります。
項目 | コールドウォレット | ハードウェアウォレット |
|---|---|---|
分類基準 | 秘密鍵をインターネットから隔離して管理する運用方法 | 秘密鍵の生成・保管・署名を行う専用機器 |
具体例 | ハードウェアウォレット、オフラインPC、紙に記録した鍵、オフラインのマルチシグ環境 | COLDCARD、Trezor、Ledgerなどの専用端末 |
主な目的 | オンライン攻撃への露出を減らす | 秘密鍵をパソコンやスマートフォンから分離し、端末内で署名する |
インターネット接続 | 原則として秘密鍵をオンライン環境に置かない | 端末自体は直接接続しなくても、USB、QRコード、microSDなどで取引情報を受け渡す場合がある |
主なリスク | バックアップの紛失、物理盗難、生成手順の不備、運用ミス | ファームウェアの欠陥、サプライチェーン攻撃、偽端末、画面確認ミス、バックアップ流出 |
コールドウォレットは「状態・運用」を表し、ハードウェアウォレットは「道具の種類」を表します。ハードウェアウォレットはコールドストレージを実現する代表的な手段ですが、両者は完全な同義語ではありません。
また、ビットコインそのものが端末内に保存されているわけでもありません。BTCの残高と取引履歴はブロックチェーン上に記録され、ウォレットはそれを移動するための秘密鍵を管理します。
この違いを理解すると、今回のCOLDCARD事件で「オフラインなのになぜ盗まれたのか」が分かりやすくなります。オフライン管理は、マルウェアや通信経路からの秘密鍵流出を減らします。しかし、最初から予測可能な秘密鍵が生成された場合、その後ずっと端末をオフラインにしていても安全にはなりません。
COLDCARDはどのように攻略されたのか

COLDCARDは本来、専用のハードウェア乱数生成器を使って予測困難なシードを作る設計でした。しかし、2021年3月のソフトウェア統合時に生じた不具合により、一部の処理がMicroPythonの非暗号学的な疑似乱数生成器「Yasmarang」へ接続されました。
技術的には、ハードウェア乱数機能の設定値が「有効か」を確認すべき箇所で、設定項目が「定義されているか」だけを確認していました。設定値は0、つまり無効でしたが、ビルド時の検査を通過し、意図しないソフトウェア側の乱数生成処理が使われました。
対象世代によって影響は異なります。
- Mk2/Mk3の対象ファームウェアでは、暗号学的に安全な新しい乱数が加わらず、端末ID、時刻、タイマー状態、乱数関数の呼び出し履歴などから出力を絞り込める状態でした
- Mk4/Mk5/Qではセキュアエレメント由来の値が加えられましたが、実際の再シードに使われたのは4バイト、つまり32ビットに限定されていました
- 本来128ビットの強度が想定される12単語のBIP39シードに対し、CoinkiteはMk2/Mk3で約40ビット、Mk4/Mk5/Qで約72ビット相当と説明しています
攻撃の推定手順は次の通りです。
- 端末IDやシード生成時刻などの候補を基に、生成され得るシードを大量に計算する
- 各シードから公開鍵とビットコインアドレスを導出する
- 入金履歴のあるアドレスと公開ブロックチェーン上で照合する
- 一致したシードから秘密鍵を再現する
- その秘密鍵で送金取引へ署名し、BTCを移動する
すべての対象端末を同じ計算量で直ちに攻略できるという意味ではありません。実際の探索コストは、端末IDをどの程度絞れるか、起動・生成時刻、過去の乱数呼び出し回数などに左右されます。それでも、本来の暗号学的安全性を満たさない重大な欠陥である点は変わりません。
ユーザー側に過失はなかったのか
一般的な使い方をしていた利用者については、過失があったとはいいにくい事件です。利用者は正規端末の標準機能で新しいウォレットを作成しており、画面上から乱数の強度を確認することはできませんでした。端末をインターネットにつながず、銀行の貸金庫などで物理的に保管していても、生成時の欠陥は防げません。
一方、次の対策を取っていた場合は、今回の不具合単独による被害を回避できた可能性があります。
- シード作成時に、非公開かつ独立した公平なサイコロを50回以上追加していた
- 強力で使い回しのないBIP39パスフレーズを設定していた
- 異なるメーカーや異なる鍵生成方式を使ったマルチシグで、1台の欠陥が必要署名数を満たさない構成にしていた
ただし、これらは標準操作だけを行った利用者に当然期待できる対策ではありません。COLDCARDのPINは端末操作を制限するものです。BIP39パスフレーズとは役割が異なり、端末外でシードを再現する攻撃への防御にはなりません。
なお、強力なBIP39パスフレーズは追加の防御になりますが、対象ファームウェアで作られた弱いシード自体を修復するものではありません。Coinkiteはパスフレーズ利用者にも新しいシードへの移行を推奨しています。
影響を受けるCOLDCARDと修正版ファームウェア
重要なのは、現在端末に入っているバージョンではなく、現在使っているシードを生成した時点のファームウェアです。
モデル/リリース系統 | 影響を受ける可能性があるシード | 最低修正版 |
|---|---|---|
Mk2/Mk3 | 4.0.1~4.1.9で生成 | 4.2.0以降 |
Mk4/Mk5 Standard | 5.6.0より前に生成 | 5.6.0以降 |
Q Standard | 1.5.0Qより前に生成 | 1.5.0Q以降 |
Mk4/Mk5 Edge | 6.6.0Xより前に生成 | 6.6.0X以降 |
Q Edge | 6.6.0QXより前に生成 | 6.6.0QX以降 |
Coinkiteの現行ステータスページでは、2026年8月15日時点で全対象モデル向けの修正版が利用可能とされています。また、実機テスト、ソースレビュー、再現可能ビルドなど、修正内容の一部に対する第三者確認も掲載されています。ただし、メーカー自身も「すべてのファームウェアを対象にした完全な独立監査ではなく、あらゆる欠陥がないことを保証するものではない」と説明しています。
Mk2/Mk3の4.0.0については、Coinkiteの勧告が4.0.1以降を対象とする一方、Blockの技術報告は4.0.0~4.1.9を脆弱な経路に含めています。4.0.0で生成した可能性がある場合も、保守的に新しいシードへ移行するのが安全です。
TAPSIGNER、OPENDIME、SATSCARDは別のコードを使用しており、今回の不具合の対象外とされています。
参考:COLDCARDの現在のセキュリティ状況、Coinkiteのセキュリティ勧告
ファームウェアを更新するだけでは解決しない

対象ファームウェアで生成したシードを使っている場合、ファームウェア更新だけでは安全になりません。修正版は今後作るシードの乱数生成経路を直しますが、過去に作られたシードの強度は変えられないためです。
また、同じシードフレーズを別メーカーのハードウェアウォレットへ復元しても問題は解消しません。別端末でも同じ秘密鍵が生成されるため、攻撃者が再現できる状態は変わりません。
対象の可能性がある場合は、次の順序で移行します。
- 公式サイトから対象モデルの修正版ファームウェアを入手する
- SHA-256ハッシュと署名ファイルを確認して更新する
- 修正版の端末で完全に新しいシードを生成する
- 新しいバックアップ、ウォレットフィンガープリント、受取アドレスを確認する
- 少額のテスト送金を行う
- 新しいウォレットで着金を確認する
- 残りのBTCを移動する
- 全額の着金が確認できるまで旧バックアップを保持し、移行後は旧シードを再利用しない
急いで全額を一度に動かすと、アドレスの入力ミスやバックアップ不備による損失につながり得ます。資金が残っている場合は対応を先延ばしにせず、同時に各手順を落ち着いて確認することが重要です。
参考:Coinkiteの移行案内を含むセキュリティ勧告、COLDCARDの現在のセキュリティ状況
今後もハードウェアウォレットで秘密鍵を管理して大丈夫か

今回の事件だけを理由に、ハードウェアウォレットが無意味になったとはいえません。秘密鍵を日常利用するパソコンやスマートフォンから分離し、送金先や金額を専用画面で確認できる点は、引き続き重要な防御になります。
ただし、「ハードウェアウォレットなら絶対安全」という認識は見直す必要があります。
- オフラインでも、最初に弱い秘密鍵が生成されれば安全ではない
- エアギャップは通信経路の攻撃を減らすが、乱数生成の欠陥は防げない
- オープンソースやセキュアエレメントの採用だけで、欠陥がないとは保証できない
- 正規端末でも、偽ファームウェア、フィッシング、バックアップ流出、誤送金などのリスクは残る
- 高度なマルチシグは単一障害点を減らす一方、設定・復旧の複雑さから自己紛失のリスクを高める
ハードウェアウォレットは「秘密鍵の生成・保管・署名を分離するための有効な道具」であり、単体ですべてのリスクを消す製品ではありません。保管額、利用頻度、復旧能力に合わせて、複数の防御を組み合わせる必要があります。
ハードウェアウォレットをハッキングから守る対策

1. ファームウェアは公式情報を確認する
メーカーのセキュリティ情報を定期的に確認し、公式サイトからファームウェアを取得しましょう。可能であれば公開されているSHA-256ハッシュと署名も検証します。
2. シードフレーズをオンライン端末へ入力しない
シードフレーズや秘密鍵をWebサイト、スマートフォン、クラウドストレージ、チャット、生成AIへ入力しないでください。「資金回収を支援する」「安全確認を代行する」という連絡も警戒が必要です。
3. BIP39パスフレーズを正しく使う
保管額の喪失が生活や資産形成へ重大な影響を与える場合、強力で固有のBIP39パスフレーズは追加防御になります。シードとは別の場所へ正確にバックアップし、ウォレットフィンガープリントと復旧手順をテストします。短い単語、名言、規則的な文字列、他サービスとの使い回しは避けます。
パスフレーズは1文字でも違えば別の有効なウォレットを作るため、入力ミスを警告してくれるとは限りません。紛失すると正規の利用者も資金へアクセスできなくなります。
4. 独立した乱数を防御層として追加する
対応機種では、修正版ファームウェアの内蔵乱数に、非公開のサイコロ入力を加える方法があります。今回の不具合を修正するために必須ではありませんが、単一の乱数生成実装へ全面的に依存しない防御になります。
一方、サイコロだけでシードを作る方式は上級者向けです。回数不足、偏ったサイコロ、記録の漏えい、入力ミスによって安全性が低下します。手順を十分に理解できない場合は、検証済みの修正版にある標準生成機能を使う方が安全です。
5. 端末画面でアドレスと金額を確認する
パソコンやスマートフォンに表示された受取アドレスだけを信用せず、ハードウェアウォレット本体の画面で送金先と金額を確認します。クリップボードを書き換えるマルウェアへの対策になります。
6. 多額の保管では異種マルチシグを検討する
複数の秘密鍵を必要とするマルチシグでは、1本の鍵が漏れても直ちに送金されない構成を作れます。異なるメーカー、異なるファームウェア実装、独立した生成方法と保管場所を組み合わせることが重要です。
ただし、必要な署名数を満たす鍵がすべて同じ脆弱な方法で作られていれば防御になりません。復旧情報の不足で自分自身が資金を失う可能性もあるため、十分なテストと運用設計が必要です。
7. バックアップからの復旧を少額でテストする
シードとパスフレーズを保管するだけでなく、フィンガープリントや受取アドレスが一致するかを確認します。本番資金を入れる前に少額で入出金を行い、復旧手順を再現できる状態にしておきます。
量子コンピューターでBitcoinのリスクは高まるのか
今回のCOLDCARD事件と量子コンピューターは無関係です。原因は、通常のコンピューターでも候補を探索できるほどシード生成の範囲が狭くなったことです。
一方、将来、暗号解読に十分な規模と誤り訂正能力を持つ量子コンピューターが実現すれば、ビットコインで使われるECDSAやSchnorr署名は、Shorのアルゴリズムによって公開鍵から秘密鍵を求められる可能性があります。
Google Quantum AIが2026年3月に公表した研究は、secp256k1の楕円曲線離散対数問題について、約1,200~1,450論理量子ビットと7,000万~9,000万回のToffoliゲートが必要と試算しています。一定のハードウェア・誤り率・接続条件を仮定すると、50万未満の物理量子ビットで数分の攻撃が可能になるという推計です。
ただし、これは将来の大規模な誤り訂正量子コンピューターを前提にした資源推定です。現時点で、ビットコインのsecp256k1を実用的に破れる量子コンピューターが確認されたわけではありません。
ビットコインでは、公開鍵が長期間露出しているP2PKや再利用済みアドレスなどが将来の「保管中の攻撃」を受けやすいと考えられます。公開鍵ハッシュを使うアドレスでも、送金時には公開鍵が明らかになるため、高速な量子コンピューターが登場すれば送金承認前に狙う攻撃が論点になります。TaprootのP2TRは出力時点から公開鍵が見える点にも注意が必要です。
耐量子暗号への移行案も議論されています。BIP361は、耐量子型の出力への移行と従来のECDSA/Schnorr署名の段階的な制限を提案していますが、2026年8月18日時点ではDraftであり、ビットコインへ導入・有効化された仕様ではありません。
量子リスクへの準備は必要ですが、現在の一般利用者にとっては、フィッシング、シード流出、偽端末、誤送金、バックアップ紛失、ファームウェアの不具合の方が差し迫ったリスクです。量子コンピューターを理由に慌てて資金を移動するより、現在確認されている脆弱性への対応と基本的な鍵管理を優先すべきです。
参考:Google Quantum AIの研究、Bitcoin Optechの量子耐性解説、BIP361
COLDCARDのハッキングに関するよくある質問
COLDCARDのファームウェアを更新すれば、今のウォレットを使い続けられますか?
対象ファームウェアで作ったシードは、更新しても強度が回復しません。修正版で新しいシードを作り、少額テスト後にBTCを移す必要があります。
古いシードを別のハードウェアウォレットへ移せば安全ですか?
安全にはなりません。同じシードからは同じ秘密鍵が生成されるため、弱さも引き継がれます。端末の交換ではなく、シードそのものの交換が必要です。
現在残高がゼロなら何もしなくてもよいですか?
旧シードを今後使わないのであれば、移動する資金はありません。ただし、同じシードへ再入金したり、同じシードから派生した別アカウントへ資金を置いたりしないでください。シードを他の暗号資産やサービスでも使っている場合は、各資産の移行も個別に確認する必要があります。
盗まれたビットコインは取り戻せますか?
ビットコインの取引は、原則として確定後に一方的に取り消せません。取引所などで資金が特定され、法執行機関の捜査や事業者の凍結により回収される可能性はありますが、保証はありません。被害に遭った場合は、取引ID、アドレス、端末情報、購入履歴、シードを作った時期などを整理し、警察や関係機関へ相談します。調査担当を名乗る第三者へシードフレーズを渡してはいけません。
8,680アドレスが被害を受けたなら、被害者も8,680人ですか?
違います。1つのウォレットが多数のアドレスを管理できるため、アドレス数と被害者数は一致しません。最新集計でも、推定対象アドレスの大半は所有者が特定されておらず、正当な移動や重複が含まれる可能性があります。
COLDCARD以外のハードウェアウォレットも危険ですか?
今回確認された不具合はCOLDCARDの特定コードに関するもので、すべてのハードウェアウォレットに共通する脆弱性ではありません。ただし、どの製品にもファームウェア、鍵生成、サプライチェーン、バックアップ管理などのリスクがあります。メーカー名だけで安全性を判断せず、更新状況、公開された監査や検証、復旧手順、自分の運用能力を確認する必要があります。
まとめ:ビットコイン本体ではなく、秘密鍵を作る過程が狙われた
COLDCARDの事件では、ビットコインネットワークがハッキングされたのではなく、一部ファームウェアの乱数生成不具合により、予測可能性の高いシードが作られたことが問題となりました。攻撃者は端末に侵入せず、秘密鍵の候補を外部で計算してBTCを移動した可能性があります。
2026年8月18日時点で全対象モデル向けの修正版は公開されていますが、更新だけでは過去のシードを修復できません。対象シードを使っている可能性がある場合は、修正版で新しいシードを作成し、アドレスとバックアップを確認したうえで、少額テスト後に資金を移す必要があります。
コールドウォレットは秘密鍵をオフラインで管理する「運用方法」、ハードウェアウォレットは鍵の生成・保管・署名に使う「専用機器」です。オフライン化は有効な防御ですが、鍵生成そのものに欠陥がある場合は守れません。
ハードウェアウォレットは今後も有効なセキュリティ手段ですが、万能ではありません。公式ファームウェアの検証、シードとパスフレーズの分離、端末画面での送金確認、少額テスト、必要に応じた異種マルチシグなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。










